おねいちゃん家で晩飯をごちそうになる、木曜日。
黄色のショベルカーで焼き鳥丼を掘り起こすのだというメッセージを
込めて、撮影し、角ちゃんにメール添付。
最近は角ちゃんを喜ばす発明ばかり専心している。
新宿に行ったついでに本屋に寄り、『デュシャンは語る』と『ハムレットQ1』、
あとタイトルは忘れたけれどフランスのミステリ小説を買う。
『デュシャンは語る』が文庫本になったおかげで、この軽さはもう買うしかないと思う。
大学時代に手に取ったけれど、あの時よりも増幅された魅力に私は唖然とする。
彼の代表作である『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』の
《さえも(メーム)》には、どんな意味があるのかという質問に対して彼は、
私は言葉に興味がありました。ひとかたまりの語に、私はヴィルギュール〔読点〕と
《メーム》を付け加えました。それはまったく意味のない副詞です。なぜなら、それは
《彼ら自身》とはならないし、独身者たちとも、花嫁とも、結びつかないからです。
ですからこれは、副詞としてもっとも美しく表された副詞なのです。
意味は何もありません。
と答えていた。
あの《さえも》は何だろうと思っていたけれど、美しく、まったく意味のない副詞だと
言われてしまっては、もう一度、デュシャンの作品を生で見たくなってしまう。
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