2010年4月アーカイブ

何に情熱を傾けているのか。
5キロ先にある最寄のツタヤは、5枚借りるとDVDが千円である。
今週は頑張って、5枚借りてみた。
「セリーヌとジュリーは舟でゆく」「ハサミを持って突っ走る」
「愛に関する短いフィルム」「バッド・サンタ」を怒涛のように見た。

「セリーヌとジュリー~」はジャック・リベットの映画で、
ジャケットを取った時に、以前、角ちゃんが見たばかりなのに、
タイトルが覚えられず、女の人の名前をあれやこれやと挙げ、
「舟でゆく」で終わる映画について話していたことを思い出して、借りた。
魔法にかけられたような映画だった。
「ハサミを持って~」は、ずっとバロウズの息子だと思っていた人の小説の映画化で、
小説自体、気になっていたけれど、読まず、それで映画を借りてみた。
その人は別のバロウズさんの息子だった。違った。
冒頭、幼少期の主人公が白い愛犬に、
アルミホイルを巻きつけてるのが可愛らしかった。
「愛に関する~」は、監督キシェロフスキ。彼もまた、ポーランド人であったことを
思い出した。さらっと純情、ストーカー的恋を描く。
「バッド・サンタ」、以前借りて、見ずに返した思い出が鮮烈に残っている一本。
「ゴーストワールド」のテリー・ツワイゴフが監督している。
その見たいと思っていた根拠をすっかり忘れていた。
春にクリスマスものを見るのもまた良い。
けれど、連日見ると、だんだん内容が混ざってくる。
『デュシャンは語る』で最後に投げかけられる質問は、デュシャンにとって
「ひとが決して聞かないのだが、聞いて欲しいと思う問い」である。

「お元気でいらっしゃいますか」

そのシンプル、かつ、ありふれた素敵な問いに、デュシャンは

「大変元気です。健康はまったく悪くありません。二、三回、手術を
受けたことがありますが、前立腺などの、この年ではあたりまえの
手術です。七十九歳のすべての人を襲う身体の不調を経験しただけ
なのですよ。
 私はとても幸せです。」

と答えていた。
『デュシャンは語る』、愛読書にしたい。
昨日から久しぶりにyoutubeを聞き漁っている。
そして、いつもいつもマリオに行き着く。世界中で愛されるマリオのメロディー。
としみじみ思う。
マリオのテーマをフルートで吹く青年グレッグ・パティロ
最近、フルートはビートボクシングという進化を遂げたらしい。
ちょっと髭をはやしてらっしゃるので、カッコ良いマリオという風貌である。
そのパティ郎(敬愛を込めて、こう呼びたい)が、
ニューヨークの雰囲気漂うビルの屋上で、蛍光グリーンのTシャツを着たラッパーと
コラボ。愛が見えない
こういう風にフルート吹き鳴らす彼を見たら、これは尋常ではなく、
カッコ悪いと思った。
細長いさとうきびの枝を尺八のように吹き鳴らす。
そんなことを想像した。ファンタジー、パティ郎。大変、素敵である。
忘れないうちに記しておこうということさえ、忘れていた事項を思い出す。
スティーヴィー・ワンダーのMaster Blasterという名曲を、
フランス人がたくさんカバーしている。
クリストフ・マエさんがテレビ番組で他の人と歌ったバージョン
始めに「英語の歌だから、君が英語で歌ってくれたら、僕はヨーグルトを作ろう」と
いうようなことを言っていて、その内容の把握に確信が持てないものの、
ヨーグルトのことをヤオルト、ヤオルトと言っていて、ヤオルトは美味しいよね、と思う。
それから、若いフランス人女性が公園で地べたに座り、
ギターを弾いているバージョン
肘にパッドをつけていて、ローラースケートをやるのだろうかと思う。
最後のvoila(ヴォアラ!)が最高にキュートな一品。

それと、メーム!!!と書いてから、
角ちゃんからのメールの中に、メームが毎日のように登場している。
元々、フランス語では副詞だったメームが、ウラル山脈やその他の山々や海を越えて、
今、間投詞や接続詞として大活躍。
色々な感情を代弁するメーム、そして、つかみどころのない、
容易に置き換え可能でありながら、そこにあるだけのために、
チャーミングな余韻を残していくメーム、たまらんぜよ~。
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あいこぱ。フランス文学研究から大いなる逃亡後、あっちへふらふらこっちへふらふら。趣味は読書と映画鑑賞。 写真も撮ります。最近はジョギングも始めました。二十代後半にして、内なるアウトドア志向に転換。2009年無二の知己「角ちゃん」とKWネットワーク始動。 月刊川にて大好評更新中。連絡はmail:aikopa@gmail.comまでお願いいたします。

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