2010年8月アーカイブ

先日の日記を書いてから、私は二回救急車に乗り、
ちょっと保健室に行って来るような気軽さで点滴を打ってもらう。
ただ、どうかと思うくらい、調子が悪く、何が調子悪い原因なのかも分からずに、
ただ暑い、暑いと思っていたのだけれど、通常の数倍の速さで母の分身のごとく、
作業したということが、どうやら過労の原因だったのかもしれないなと思う。
母が、あ!と思っている間に小皿を出す、スプーンを取って来る。
そんな魔法使いのような日々を送りながら、
たまの「らんちう」という歌の歌詞に感銘を受ける。
ライブの素敵なバンドだったのだと思う。
パーカッションのランニングシャツの人の盛り上がりが尋常じゃない。
それから、筑摩書房から出ているちくま日本文学の「寺田寅彦」。
カバーに「数多くの警抜な随筆」を残したと書いてあり、
私は人生で初めて出会った形容詞「警抜な」の意味に頭を傾げながら、
読み進めていたけれど、物理学教授をしていた寺田が
満員電車がどのくらいの割合でやって来るとか、
金盥とコップが織り成す音は、どのような環境下で決定されるのかということを、
書いている随筆はおそらく名作で、これが「警抜な」ということなのだなと思った。

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クローゼットの上の段には、ずっと「ひろこ作品」「あいこ作品」と書かれた
段ボールが置いてあった。
小さな頃に描いた絵などを思い出のために取っておくのだとそういう方針の下、
保管され、忘れられてきたものだと思う。
それで、今日はふと箱を開け、中身を調べてみたのだ。
私が幼少期に肺炎にかかった際、看病した父母の日誌を発見する。
感傷的な調子の父の脱字を、母が冷静に訂正していた。
何気ない記録内容と、文章力のなさの奥に、ほろりとさせるものがある。
夢中になって読む。
それから、幼少期に書いた本当にしょうもない作文や、
父母、姉にあてた手紙を読む。
みんなに対して、好きだ好きだと書いてあったので、これは妙だと思い、
姉の方の段ボールも開ける。
姉の方は、やはり、絵のボリュームがあり、
作文といったものは少なかった。
姉の日記の中に、妹に何々をしたら、喜んでくれて、嬉しかったという件が
たびたび登場し、なるほどと思った。
写真は姉が小学校二年生の時に描いた鬼が雨を降らせている絵。
先生から「かわいいおにですね」というコメントをいただいていた。
私もそう思う。
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あいこぱ。フランス文学研究から大いなる逃亡後、あっちへふらふらこっちへふらふら。趣味は読書と映画鑑賞。 写真も撮ります。最近はジョギングも始めました。二十代後半にして、内なるアウトドア志向に転換。2009年無二の知己「角ちゃん」とKWネットワーク始動。 月刊川にて大好評更新中。連絡はmail:aikopa@gmail.comまでお願いいたします。

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