こんな風に黄金文学時代が到来した。
ひょいっとこちらを向いてやってきたアライグマが、そそくさと
向こうの方へ隠れてしまう。
ここ数ヶ月、「次」へ行くためには、「次」へ行くためには、
と、そればかり考えていた。
ロケットに乗って、「次」へ行くのだと、私が二十かそこらで
書いたプッカとポッカの戯曲に書かれていたのを思い出す。
内容はほとんど忘れてしまったけれど、「月」ではなくて、
「次」なのだ。ツキなのか、ツギなのか、音として不明瞭な境目で、
とにかく、ツキかツギへ行くのだと主張する登場人物がいて、
でも、本当にロケットに乗り込んだのは、プッカでもポッカでもなくて・・・。
悲しいとか、寂しいとか、そこに至る前に突然の別れのすり替えで、
私たちはひとまず安心し、そして、最後に不安げな余韻が残る。
そんな戯曲だったのではないか。
あの時も、登場人物が「ファーファー」言っていた。
意外に好きな言葉なのかもしれない。ファーファー。
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