今年もよろしくお願いします。
皆様にとって、夢・愛・ユーモアのあふれる一年でありますように。

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罪と罰と、三つの罰

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秋から連続していたシリーズの最終作はこんな形だった。
今年三度目の失恋(そのうち一つは女性)を経て、と書いて、ふと思う。
双方向から通行できないトンネルのような気持ちを抱き続けていたように思う。
ブランショの『期待 忘却』をぺりぺりとめくっているだけで、泣けてくる。
そんな風にブランショと向き合うことになるとは思っていなかった。

11月に文庫本を読みたくなって、買った『罪と罰』。
ドストエフスキーなんて、読みたいと思ったことのない本だった。
ただ、緩慢に私の中に流れていた「罰されたい」という思いが、
レジに向かわせたのだろう。
私が愛したくても愛しとおせなかった人々のことを考えていた。
この上下巻に渡る、壮大で、荘厳な雰囲気が、私の気持ちを静めてくれるだろう。
いつかいつか、きっと罰せられるのではないかと思いながら、
読み進めてきた。まだ今のところ十分に苦しんでいるものの、
ラスコーリニコフは罰せられていない。

そして、昨日、三度目の失恋を経て、私は、ふと思う。
失恋ではなく、これは罰だったのではないか。
罪と罰と、三つの罰。
ちょっと罰が多すぎる感じがするけど、悪くない。
荘厳な気持ちには至らなかったけれど、きっと悪くない。
罪と罰と、三つの罰。
そう心の中で唱えてみた。

写真は種田山頭火と四つの大根。
カレンダー、制作中です。
明日11月25日(金)より始まるKahoringさんの写真展「伝える人」展
入口の飾りつけをさせていただきました。

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小さなKahoringさんを吊り下げました。

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彼女の敬愛するバッハが、東京タワーの空を飛びます。


良い写真、いっぱいあります!ぜひぜひ、遊びに来て下さい!!
夜中に目が覚めて、
なぜこんなことを思い出してしまったのか。
アカデミー賞も獲ったことのあるソダーバーグの初監督作は、セックスと嘘とビデオテープ。タイトルで予想するより、地味で素敵な映画なのですが、何度見ても引っかかる部分がある。
故郷の町に帰ってきた主人公が、数日泊めてもらう友人宅に着き、奥さんにトイレに行くと行って、ソファから立ち上がって、間もなく、「間違いだった」と戻ってくるのだ。
けれど、何が間違いだったのか。
出そうかと思ったけど、違った。
ということなのか。
トイレに行くと立ち上がったのに、間違いだった。と戻ってくる。私がその場にいたら、その人の便意がいつ戻ってくるか気になり出して、もう気が気じゃない。それもあって、気が気じゃないまま、主人公の便意に引っ掛かって、映画を見ていたのを思い出す。
そんなソダーバーグも、50才を目前に引退&画家転向宣言。あれだけ働けば、画家になるって言われた時に惜しいという気持ちよりも、面白いことをしてくれそうだと思う。
そして、彼はたぶん必ず戻ってくる。
間違いだった。とか言って。
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岡山に行って来た。念願の岡山。
内田百閒の生まれ故郷。
でも、行く段になって、生家を訪ねるというわけでもなく、
今、見たい風景を見ようと思った。
虫明湾の牡蠣の筏がぺらぺらと置いてあるところで、
夜明けをぼーっと眺めたり、
鬼ノ城山という桃太郎においてモチーフになったのではないかという
山の上の城に、行って来た。
ぽこぽこと盛り上がる山々と、平らな市街地、そして復元された城。
そのちぐはぐ感に、くらくらする。
素敵だった。ますます岡山が好きになる。

写真は、虫明湾へと下っていく途中で。
他にも色々写真を撮ったけれど、今の私は、きっとこんな一枚を
選んでしっくり来るに違いない、と思う。
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あいこぱ。フランス文学研究から大いなる逃亡後、あっちへふらふらこっちへふらふら。愛読書はブランショ、百閒、ヴォネガット。写真、 コラージュもやります。連絡はmail:aikopa@gmail.comまでお願いいたします。

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