June 20, 2008
France Five旋風に吹かれ変な曲がり角を曲がる
昨日はアテネでかほりさんからFrance Fiveというゴレンジャーのフランス版の
ようなものを紹介してもらう。
レッド・フロマージュ、ブラック・ボジョレー、ブルー・アコーデオン、
イエロー・バゲット、ピンク・ア・ラ・モード。
テカテカの覆面原色スーツの方々がぴょいぴょいっと飛び跳ねて
来たと思ったら、エッフェル塔をバックに腕を組んでポーズを取っている。
これは、変だろうと思った。
すると、隣にいたすえこさんが、日本もこういうのあったら良いのにねと言う。
三味線イエローとかですか?と私。
で、そこから、どうなってかSUSHI FIVEという空想へと離陸する三人。
TORO RED、KAPPAMAKI GREEN、TAMAGOYAKI YELLOW、
SHOGA PINK、SHIMESABA BLUEのレギュラー陣に加え、
時折出てくるKAKINOHA ORANGE avec 鹿、ANAGOZUSHI BROWN avec 鹿
などのキャラクターを考案し、大いに盛り上がる。
June 13, 2008
みんないっしょになって出かけ、たちまち到着する。
堀江敏幸さんの河岸忘日抄は読み終わった。
「ぼんやりと形にならないものを、不明瞭なまま見つづける力」と
いうフレーズに心打たれる。
ガレットの記述が度々出てきて、妙に食べたくなってしまった。
とても良い。とても良い小説だった。
こういう本をおそらくおすすめしたくなる。という本だった。
何だか話そうとすると、素晴らしさの80パーセントが失われる。
その点、ブランショの本は語ることで素晴らしさが120%くらいに
なるのではないか。
遅々としているアミナダブはもう二ヶ月目と突入したけれど、
やっと半分といったところか。今日読んだフレーズの一つ。
「それじゃ、あなたも仲間にしよう」トマはそういい、かれらはみんな
いっしょになって出かけた。
たちまち到着してしまった。
早ッ。あの空を見つめているブランショ青年がみんなといっしょに
出かけ、たちまち到着する光景を浮かべてみるだけで、おかしい。
おかしい気持ちになる。
ブランショとゆかいな仲間たち。
あるいは、鬼が島へと出かける浦島ブランショと仲間たち。
June 4, 2008
あてどもなくたわし
たわしつかれましたし。
26にもなったことだし、とサネーが26の時に書いた、
お目出度き人を読んだ。
4分の3くらいまで、サネーはだめだね〜、ひとりでもんぬもんぬとしてるわりに、
ちっちゃなことでときめいたりして、と思っていたけれど、
やはり、最終的には乱れ散る恋のあこがれの女の子が、おそらく
偶然サネーの後ろから同じ道を行く。時々振り向いたりして、目が
合ったりして。そのスイカを割ったような爽やかさは、まさにサネーの
素敵なところなのだろうと思った。
というようなことを角ちゃんにメールしたら、そんな素敵なところ、
あったっけ?と言われた。はて?
続いて、堀江敏幸さんの河岸忘日抄を読んでいる。
すてきな話だ。異国の河岸に留められた船で暮らすことになった『彼』。
朝、遠くの河岸からボンゴの音が聞こえてきて、駅でボンゴを叩いていた
男の手を思い出したり、日常の断片が、記憶の断片と緩慢に結びつき、
アステリスクの前でことんと落ちる。