June 30, 2007
クーラーによって繋ぎ止められた人と人とまだ人ではない何か。
「お父さん、おねいちゃんに会いたいのよ。」
とお母さんが言っていた。そうか。
でも、もしわたしがおねいちゃんだったら、別にクーラーを付けるという
ミッションがなくても、会いに来て良いんじゃないかと思った。
だめなのか。
ミッションと言われると、もうトミオさんのことしか思い出せない。
今週のトミオさんは、エミッション(仏語で番組の意)の話をしていたら、
ミッション!?と聞き返していた。
クラス失笑。先生はよくこらえていたと思った。
で、お父さんとおねいちゃんの話に戻るけれど、
おねいちゃんは以前、お父さんと会話が続かないと言っていたけれど、
おそらく気質上のものなのだが、でも、それでも、おねいちゃんのお腹から
生まれてくるだろう子供の名前の候補をいろんな人が挙げた中で、
お父さんの挙げた名前を、おねいちゃんが甚く気に入っているのは、
なんだかおもしろいじゃあないかと思った。
でも、本当にその名前になるかはかなり分からない。
生まれてきた子供は、その自分が入っていたお腹を見るために、
自分の母のお父さんがはるばるクーラーを付けにやってきたのだと
知ったら、何と涼しいことだろうと、きっと思うに違いない。
June 25, 2007
そこに、インコを乗せるのだ
ヒル国務次官補がうさぎの被り物をすると、きっと可愛いだろうと思う。
そんな今日、この頃。
土曜にユリコさんから電話を受け、池袋に急行。
マックにてメガマックを横滑りさせつつ、頬張るユリコさん。
早々と食べ終わった途端、はー。とため息をつくので、何だか
哀愁が漂っていた。
ボウリングで穴の開いたボールを投球し、いや、むしろ、空を飛んでいたよ、
ユリコさん。その後にゴトンと墜落した球がするすると滑っていって、
かこーんと倒したり、倒さなかったり。
最後に寄ったパルコのフランフランで、シェイカーのふたをしゅぽっと取った
ユリコさん、穴のぽこぽこ開いたところをぬっと差し出して、一言。
灰皿。
半身浴のために肩にかけるケープのようなものを指して、
これ、何だろうね?と聞いたら、お風呂の中で肩にかけて、
そこにインコを乗せるのだと言うので、うーん。発想が不思議だねと
言ったら、インコの部分が不思議だということに気づいたユリコさんが、
苦しそうに笑っていた。自覚していなかったのだろうか。
それにしても、ユリコさんは、相変わらずおかしい。
灰皿はないだろう。と思った。
June 19, 2007
私は、ぼんやりしていた。らしいのだ。
今日、小学校の時の文集を見た。これも初めてだった。
全然覚えていないどころか、わからない人がたくさん、いる。
というか、自分の写真を見て、わたしはこんな人だったか。と思った。
思っていたのとちょっと違う。
で、ユリコさんのところを読んだら、期待を裏切らないそのボキャブラリーに
どぅわっとかいう喜びの声をあげていた気がする。
どうやら、ユリコさんは、小学校に入学したての頃は、ぼんやりしていた。
らしいのだ。それで、友達がいないから、ある女の子を追い掛け回し、
その努力が実って、最終的には仲の良い友達になったらしいのだ。
わたしの心を打った、その冒頭部分をぜひとも引用したい。
入学して一ヶ月くらいして、私は、ぼんやりしていた。そして、
友だちをつくろうと思ったらしく、○×さんに、目をつけた。そして、
○×さんに「ねー、ねー。」といった。もちろん、○×さんは、にげた。
そうだろう。にげただろう。そうだろう。と思った。
わたしもユリコさんと友達になってから、ずっと「ねー、ねー。」と呼ばれていた。
挨拶は「やあ」だった。それが、ユリコさんだとわたしは思うのだ。
だからこそ、時を経ても、そのスタンスを崩さないで欲しいと願う。
June 16, 2007
たわったむたー
ネコが好きだというぺんてるの誕生日に、ネコの画像を探す。
そうしたら、こんな画像が出てきて、えーと、目を疑った。
釣り上げた巨大魚を見せびらかすかのように、宙に抱えあげられたネコが、
なんだろう、うしろのにこやかな男性と同じ遠近法の中に存在しているのが
おかしいように感じられる。
ギネスブックに載ったらしい、でかいネコ。
最近は、暑いので、床で寝れる。
床に∩の字にでーんと横たわったむたー様(と呼ばれる巨大抱き枕)の間で、
でれーんと寝る。いわゆるシエスタ。
すると、わたしが寝ていた部分が後になって、
つるつるとなっていて、足をつるっと滑らせた。汗なんだろうか。
汚いを通り越して、ちょっと危険だ。
それから、ダイ・ハード4.0のポスターを見た時に、ダイ・ハード40かと思って、
いつの間に40作も!?と釣りバカ日誌みたいなことになってしまった。
June 10, 2007
不安げなハンモックと、迂回する風景。
エルメスのギャラリーに、藤森照信さんがこしらえた小屋が
三つと、特大の貝が一つ、展示されている。
今日はそこに角ちゃんと行ってきた。上野でどしゃぶりに見舞われた後、
銀座線で運ばれる。
展示されていた小屋の中に自由に入れた。その中の弱々しいハンモックに、
角ちゃんが乗る。がんばって横になろうとする。
なんだか、変な格好で大胆に誘われているような、そんな格好になってしまい、
笑いが止まらなくなって、くねくねしていたら、エルメスの人がやってきて、
そのハンモックの強度は弱いと聞いているので、気をつけて下さいと
やんわりと注意された。
それなのに、自分も座ったのだからとわたしも寝るのだと角ちゃんに勧められ、
横になる。ひも自体が細く、ミシミシと言うので、とても不安な気持ちになった。
それから、バスに乗り、お台場へ。
橋を渡ったところで、六本木だ〜とはしゃいだけれど、どう考えても、
東京とお台場の間に六本木はない。六本木と似ているが、違う建物群に
惑わされる。
帰り、角ちゃんはレインコートを買うのだと言うので、ゆりかもめの駅で
別れる。角ちゃんがアメリカに行ってしまうというのに、わたしの方が見送られる。
ちょっと変な気持ちになった。何度も振り返って、手を振る。
ゆりかもめの、ゆっくりと迂回していく風景を、ひとりで見たのは初めてだった。
June 8, 2007
やぶれかぶれの。
昨日、角ちゃんに会ったら、語尾のぽーに引いたというメールの話になった。
確かにぽーは引くけれど、わたしなんか、酔っ払っちゃったりすると、
よっぱらったですぽーとか、普通にメールを送ってしまいそうだ。
と言ったら、いや、それは別に驚かない、普段からぽーって感じだから
みたいなことを言われた。ぽー。ぽぽー。
数日前に姉に電話した際に、アベ首相ですけど、って言ったら、
あれ?アベ首相は今、ドイツだろ?と返されたので、
ニーハオと言ったら、あは、ドイツだ〜と言われたという話をしたら、
どういう姉妹だよ。と突っ込まれた。
姉がサービスしてくれたように思って、かなりうれしくなったけれど、
ただ単にボケをボケで返されただけかもしれない。
トミオさんがおかしい。ファッションとして、破れたりしているジーンズを、
やぶれかぶれの、と言っていた。やぶれかぶれの。
思い出すだけで、ちょっとおかしい。「汚れちまった悲しみに…」の、
中原中也みたいになっている。
June 6, 2007
寝ぼけて、子機を携帯の充電器に入れようとする
今朝、バロウズのウエスタン・ランドを読み終えた。
もう何ヶ月もこの本を読んでいたような気持ちになったけれど、
実際、2ヶ月くらいかかった。
でもバロウズの本はそんな読み方が似合う。
何というか、前に書かれていたものができるだけ忘れ去られた後に、
読み進める。そうすることで、うまく記憶の中でぐるぐると混ぜこぜに
なってくれるように思う。
ちゃんと分かりやすい筋がある小説はできるだけ速く読んだ方が良い。
登場人物についての記憶があやふやになると、
ただ読み進めることしかできなくなる。
バロウズとか、ブランショは、ちがう。記憶があやふやになっている方が、
ずっとずっとその作品の良さを引き立たせる。
ただ読み進めさえすれば良くて、最後には何か、コトンと落ちるものがある。
こんなに時間がかかって、何が面白いのかと聞かれたら、分からないところ、
とにかく分からないのに、最後には分かったような気配がする。
としか答えようがない。
分からないでいることを肯定してくれるような、素敵な断章が続く。
世界遺産に指定されていたロシアの渓谷の大部分が土砂で埋まってしまった。
きっと、それを見ていた人はこう思っただろうと思う。
あれまー。
June 1, 2007
いつも心は、上流にいたい。
わたしは出土された2100年前のメロンだという写真を見ながら、
おそらく2100年前にほのかに漂っていただろう甘い匂いを、
くんくんと想像した。
メロンの周りにふらふらと群がる毛じゃむくらの動物たち。
おい、これ、うまそうだぜ。おう。たべてみよう。がふがふがふ。
この前、本屋に行った際に、大型の本を足の甲に落とす。
う。と低くうごめいたら、お店の人が駆けつけてくれた。
ムーミン谷が作れるというペーパークラフトの本。
すごいんだ、それが。ムーミンとかスナフキンとかだけじゃなくて、
家まで作れる。でも、その時に落とした衝撃が今や青あざとなって、
蘇る。どちらかと言うと痛い。
昨日は確かかほりさんと、色々な怖い話をしていたのに、
いつの間にかニーハオ・トイレの話(たぶんもうそんなトイレは
ないのかもしれないけれど)に至り、やっぱりあれはきっと
水の流れがあるだろうから、「上流にいたい」と彼女は奥深い声で言っていた。
万事に当てはまるような名言である。
スタローンが「僕の外面はキング・コングに見えるかもしれないが、
内面はヒュー・グラントだ。」と言っているらしいというのを読んで、
わたしは、そんな映画あったら良いのに、と思った。
スタローンがキング・コングに見える外面について悩み、
落ち込んでると、本物のヒュー・グラントがやってきて、
何か励ましてくれる。ヒュー、いいよな、君は。
いや、僕だって、君みたいなマッチョな身体に憧れてたよ。
何てことのない会話。まぁ、お互い、がんばろうな。だ。きっと。