October 29, 2007

やはり旅にはカリンバが必要なのだ、そして、へにゃへにゃになった森上

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ドイツに行ってきた。家族と。
カリンバを持って行かなかったことを後悔していたわけではなかったけれど、
ふと立ち寄った店でカリンバを買ってしまう。夜、ぱぱこに自慢すると、
ちううれしそうに弾いていた。
早々と眠りこけたのに、夜中、暖房が暑くて目が覚めると、
部屋にぱぱこのパンツとか靴下が運動会の小さな旗みたいに干されていて、
お父さん祭になっていると思った。
そして、刷り込み効果でNICIのぬいぐるみキーホルダーを買う。
ぬいぐるみなんて買わないぞう買わないぞうと思っていたのに、
駅で公衆電話を掛けていた、かわいらしい青年がリュックにNICIのぬいぐるみを
つけていて、くーんとなったからかもしれない。
ドイツ語はほぼ分からなかったのに、最終的には大体何を言わんとしているのか
検討が付くようになる。きっと黒船でやって来た人々もそんなだったに違いない。

持って行った春樹のノルウェイの森上は早々と読み終わり、
バスタブのふちに置いた際に濡れて、ちょっとへにゃへにゃになった。
その小説を書いている人がいる、その人を想像すると気持ち悪くなるのだと
いうことに気づいた。主人公の森上は好きな女の子がいるのに、
見知らぬ女の子と寝たりする。それはおいといて、その好きな女の子が
療養してる施設を訪ねると、その好きな女の子が夜、月の光を浴びて裸で
立っていたりする。本当なのか夢なのかわからなかった。と森上。
本当でも夢でも、ちょっとそれって素敵なのかもしれないけれど、
冷静に考えるとどうなのだ、と思ったのだ。
でも、きっとちょっとそれって素敵かもしれないと思ったままで、春樹の存在を
意識しなければ、きっとずっとずっと面白くて、それが春樹の魅力なのだろうと思った。
何というか、ウディ・アレンの出てないウディ・アレンの映画の方が好きだというのに
ちょっと似ているかもしれない。

飛行機の中から、暗い夜の、くねくねとした道路を
車のヘッドライトがつつーと移動していくのを眺めていた。

写真は左上からトランジットのドゴール空港にて、歩く人々と
ぼんやりと待つ人々の上にたたずむ青、
ハノーバーからミュンヘンへと向かう列車の中で。
下は、ハノーバーで見つけたカラフルな窓、ミュンヘンの紅葉するツタ、
そして、教会にあったネームプレート、きっと偉い人の名前が書いてある。

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投稿者 aikopa : 10:14 AM

October 18, 2007

カプチーノにほうれん草を投入する

朝、ごはんの上に乗せようと思ったほうれん草が、
茶碗までの動線上にあるカプチーノにちゃぼちゃぼと投入された。
別に寝ぼけていたわけではなかったけれど、カプチーノをすすると、
にょろにょろとほうれん草に遭遇するのはあまり気持ちが
良いものではない。目が覚めるような思いがした。

最近の私は、ネットで映画を見漁っていた。
ブランショの後に、久しぶりに日本の作家の小説を読む。
悲望。東大の院生が同じ院生の女の子を好きになるのだけれど、
さんざん撥ねつけられているにもかかわらず、ものすごい発想の転換で
ポジティブに捉え、ストーカーじみた猛烈なアタックを続けるという
大大大片思いの話。帯には「悲しくてせつない」と書かれていたけれど、
あれは切ないを通り越して、可笑しかった。
電車の中でひとり、にやにやする。
潔く墓穴を掘る。ここまでやれば、全然気持ち悪くない、むしろ
堂々たる片思いだ、と思った。

そして、勢いに任せて、ノルウェイの森上を買って読み始めたのだけれど、
あまりにも森上(主人公の名前を忘れた、仮にここでは森上としておく)の
優柔不断というか、ふにゃふにゃ感&一人称のぼくに以前は、
敏感に反応し毛嫌いしていたけれど、今朝はそれほどでもなく、むしろ、
わたしにとって共感できないだろう小説をどのように読むか、
その術を見つけつつあるのではないかと思った。
ちなみに下巻になると、主人公の名前が森下になる。なんつって。

投稿者 aikopa : 10:17 PM

October 8, 2007

数百人体制のWindowsがわたしを出迎える

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紆余曲折を得て、組み立てられたパソコンにWindowsが配置され、
数百人体制でわたしを出迎えてくれる。
大きなフォルダもすいすいっと移動される。
す、すてきだ。

依然としてブランショを読む。期待、忘却。
忘れてもなお、そこにたどり着く愛。
でも、前ほどあまり面白くない。わからなかったからこそ、面白かったものが
すべてとまでは言わなくても、失われてしまったのだろうと思う。
わからないこそ、美しかったのじゃないか。

それはそうと、京都で撮ってきた写真には、角ちゃんが
画面のはじに小さく写っていたりして、何だかウォーリーのようだった。

写真は花火大会を野外で鑑賞し、さむさむさむと言いながら、撮った写真。
次の日は、なんだか身体中が硬かった。

投稿者 aikopa : 6:27 PM

October 5, 2007

ムダな扉を開けて、わたしは何をしていたのだろう

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依然として利伸旋風である。
姉の家でたびもふ観覧。利伸のビデオを見る。
歌のタイトルを見て、姉はマジックの間に星が入ってるよ。
と言っていた。
始めの歌詞が、「ムダな扉をあ・け・て〜」と聞こえるのは
わたしだけなのだろうか。滋賀にいた時も帰ってきてからも、
ずっとそう思って反芻してきたけれども、実際は「歌の扉を開けて」
だった。むだに扉を開けて、わたしはどうしていたのだろう。
むだに扉を開けまくると、きっとマジックの方から、こっち側に
やってくる。きっと。

帰還以来、会っていなかった角ちゃんに会う。
ものすごい早さで色々なことを忘れているという。
そして、もう普通の日本語に戻っていた。あー。
ポーブル(フランス語のpauvreから。かわいそう、哀れなあるいは貧乏の意)、
パーブロ、と来て何だっけ?と聞いたら、
全然思い出せなかったけれど、あれはモーリオだ、
ポーブル、パーブロ、モーリオと言っていたじゃないかと
オペラシティへと向かう地下鉄のホームへ下へ下へと
下っていく間に思い出した。

写真は美しい汚れ。滋賀以来、わたしは美しい汚れに魅せられている。

投稿者 aikopa : 8:00 PM
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