July 23, 2007
∩の中でねむる
おねいちゃんが下を向くと、汗が垂れるというので、
上を向いて歩こうをハミングしたら、「あいこは今週、アテネあるの?」
と聞かれた。「うん、あるよ」と言ったら、「映画とか見に行かないの?」という。
「うーん、わかんない。」と答えた。
わたしに関する質問をいきなりしてくるなんて、そんなに上を向いて歩こうを
歌ったのがいけなかったのかしら、はっ!わたしとしたことが、頭で考えてることが
口から出てる!!と言ったら、はは。と笑われた。
そんなの、どっちだって良いだろと言われた。
たぶん、おねいちゃんはそこまで思ってなかったのだろうと思うけれど、
無意識にそんな質問をしたのかもしれない。
けれど、最近のわたしは、本当にわたしに関する質問をされないのだ。
そして、わたしはこんな夢を見た。
中学校のベランダから校庭を見ると、夕闇の中で、
無造作に並べられたフラフープのようなわっかが、とてもきれいだった。
隣のクラスでは、書道の時間でみんながせわしなく、筆を持って、書いていたり、
新聞が所狭しと広げられている。
よしだかよちゃんという友達の髪の毛が、もう少しで床に着くだろうというくらい、
長く、わたしが会っていない間にこんな長くなってしまったと思った。
本当の彼女は、今、どんな髪型をしているのだろう。
アインシュタインの平均睡眠時間が10時間と知り、予想(12時間)より寝ていないと
思ったけれど、よくよく考えてみると、10時間寝るということは、
どう考えても一日が短いと思った。あと、寝る間も惜しんで、
勉強した時期もあったらしいのだが、その時でも、やはり少なくとも6時間は寝ている
に違いないと思った。でも、4時間もそれに当てているのだから、多い方なのではないか。
寝てはいるが、確実に寝る間も惜しんでいる。
July 18, 2007
お母さんカンガルー
姉は今、リビングで寝たり起きたりしている。
赤ちゃんのベッドがそこにあるから、そうしているわけなのだけれど、
今朝、朝御飯を食べに行ったら、姉が何だかカンガルーみたいになって、
寝ていた。手が腹のとこできちんと揃えられている。
お母さんカンガルーだ〜と思っていたら、今度はうずくまって、
ぐぐーといびきを掻きだした。かわいいいびきだった。
朝御飯が済んだあたりで、おねいちゃんが目を覚まして、
夢の中で、コーヒーだったかカフェオレだったか飲んだと言っていて、
おいしかったという。久しぶりに飲んだと言っていた。
三角のデニッシュ買った。まだ食べてない。とも言っていた。
あと、クッキーも買ったらしい。大学の寮に外国人一家が住んでいて、
その家族の一番上の女の子(女の子なのに、サムという名前)に
手をマッサージしてもらって、気持ち良かったと言っていた。
わたしとお母さんが食事している音が、夢の中で外国人一家がランチしている音へ
シフトしていったという。
何だか変だが、気持ち良さそうな夢を見て、それをふがふがと報告してくれる
おねいちゃんは、何だかかわいかった。
その後、もそもそと起きたおねいちゃんは、わたしの作ったおにぎりを、
ほむほむと頬張り、うまいうまいと言ってくれた。
最近のおねいちゃんは、本当によく食べる。
July 15, 2007
むたー様に似たかたち
おねいちゃんの赤ちゃんが、お地蔵さんのような顔をして、
寝ていた。
彼女はうんちをする前に、宇宙に手旗信号を送る。
ミルクを飲んだ後に、げっぷさせるために、背中をさすられると、
すごく真剣な顔をする。普通の大人が背中をさすられている時とは
全然違う。腹の底から込み上げてくる感情を真剣に受け止めようと、
空を見据え、うぇっと息を吐く。
しゃっくりもする。あれは本当に可愛くて、涙が出そうになる。
えっく、えっくと手や足や身体をぴくつかせながら、今、自分の身体に
何か異変が起きていて、えーと、えっく、困った、えっく、
えっく、と辺りを見回していて、可愛い。
ぺんてるから長いメールが来て、細かい質問にいちいち答えているうちに、
むかついてきた。むかついた自分に腹が立ち、哀しくなる。
そんなタイミングで角ちゃんからメール。
太平洋の向こうに角ちゃん。わたしが彼女の誕生日のために書いた
メッセージを何度も読んでくれたという。ほんとうにうれしい。
おねいちゃんがミルクをやっている隣で、パンの本を眺めていて、
∩のかたちをしたパンがあって、なんか、このかたち、なごむーと
言ったら、あ、むたー様に似てるね。と言われ、そうか、
いつもわたしがその狭間ですやすやと眠っておるかたちでありましたか。
と思った。
July 6, 2007
ビデオカメラでおねいちゃんの鼻の穴などを撮っていた
おねいちゃんの赤ちゃんが生まれた。
でも、まだまだ生まれそうにないと言われていたので、
おねいちゃんは、まだまだきっと生まれないと思っていたのだと思う。
赤ちゃんが生まれる5時間前までビデオカメラで遊んでたりしてたし、
そのもうちょっと前は、生まれたら、しばらくアイスも食えなくなると言って、
ニュージーランド産のキャラメルアイスをおいしそうに食べていたし、
そのもうちょっと前は、赤ちゃんってこうやって、頭を回転させて
出てくるらしいんだけど、全然そんなこと覚えてないよねと
おねいちゃんが言うので、いや〜、もう目が回って大変だったよと
言ったら、心配になってやってきた、おばあちゃんに、
あいちゃんはおかしなこと言うのね〜と言われてしまった。
で、夜に生まれたという電話をもらって、お母さんがおばあちゃんとかに
電話している間に、お父さんはおぎゃーおぎゃーと言っていた。
生まれたのはお父さんじゃないだろ?と思ったけれど、
きっと人は浮かれるとこんなことを普通にしてしまうのだと思う。
生まれた子がおねいちゃんにそっくりだというのを聞いて、
あ、そうか。子供は似てるものだということを忘れていた。と思った。
おねいちゃんが二人になる。そんなことはないんだけれど、
一瞬そう思った。大きいおねいちゃんと、すごく小さなおねいちゃん。
July 2, 2007
ハムレットがハムを食べる
ハムレット・ゴーズ・ビジネスを見る。
カウリスマキ版ナンチャッテ・ハムレット。
登場人物が、え?そんなとこで死んじゃうの?ということで、
ことごとく死ぬ。しかも、ありない偶然で毒入りの食べ物や飲み物を、
はむはむと頬張り、ぐいぐいと飲み干す。良い飲みっぷり。
ただ、挿入されているロック・バンドのライブや、カウリスマキ映画には
珍しい濃厚なキスシーン、結婚を躊躇するカップル、そういうのが
若い、若いカウリスマキだ。と思った。
しかも、マッチ工場の少女のカティ・オウティネンがオフィーリア役だった
のだけれど、だんだん見てるうちに、スカーレット・ヨハンソンに見えてきて、
今思うと、目を節穴にさせるカウリスマキの呪いなんじゃないかと思った。
あと、犬、犬がちょっとしか出てこないのに、あの犬はかなりキーだ。
あの犬だけが唯一、共感に値する。