April 26, 2005

そして私は詩を書いた

たゆたうピアソラのリズムが水に溶解する
水の上でゆらゆらと震えている
厳密な配列の影がそこかしこに偶然を浮き上がらせるのだった
果たして何が厳密なのか
タンゴの有機的役割をすべて飲み込んだホットケーキが
ごろんと眠っていた
哀愁とは程遠い甘さがめまいを誘発したのは言うまでもない
ホットケーキはごろんとそこにいる
ごろんとうずくまった私の隣のホットケーキ
シロップがぐるぐると回って吸い込まれた
ピアソラのリズムと
規則正しい光と影
ただすべてが溶解するのを待っていた

「誘拐された朝食」

投稿者 aikopa : April 26, 2005 8:45 PM