January 15, 2006

陥没したA。もう這い上がりはしないのか。

最近はというと、先週末、東京オペラシティのアートギャラリーの
展示を見に行こうと思ったら、フライングだった。
カスバの男というモロッコの日記の本を買って帰る。
フェリーニづくし。道。カビリアの夜。
コーエン兄弟のファーゴの宣伝コピーが「人はおかしくてかなしい」だったけど、
まさしくその言葉が相応しい映画を撮る。
あと、息子の部屋を見た。あれは良い。ナンニ・モレッティの、
ジェニファー・ビールスを追っかけたという親愛なる日記も見たくなった。
半年前から読みたかったサーチエンジン・システムクラッシュという、
宮沢章夫の小説を読む。芥川賞候補にもなった作品。
ところどころ、彼の戯曲で読んだような、ちぐはぐで可笑しい会話が
繰り広げられる。死んでいるか生きているか分からない、そんな曖昧さに
耐えられるかという言葉と赤いチョークの線が池袋の夜を徘徊する。
ブランショの「謎の男トマ」の再読。
もしかしたら、以前読んだ版とは違うのかもしれない。
ところどころ記憶はあるが、ほとんど記憶がない。おかしい。
トマは悶え苦しんで、ゴキブリのように、ニシキヘビのように、
エリマキトカゲのように、倒れ込んで身をくねらせる。
ワタリウム美術館のハンモックで少し酔ってしまった。
シャイン旅行に行ったおねいちゃんが、朝、丸くなって、
行きたくないよう、行きたくないようと呻いていたのは、
本当にかわいかった。

投稿者 aikopa : January 15, 2006 1:03 PM