March 9, 2006

写真と犬と、どちらでもいい私

相変わらず調子は悪いのだけれど、
今日はワタリウム美術館に行ってきた。今、やっているのは写真展で、
デヴィッド・ホックニーの、フォト・コラージュに魅了された。
何枚もの写真を重ねて貼り付けることによって、対象を描き出す。
光が写真一枚一枚で微妙に違っていて、同じ青も、一枚一枚違う。
あと、アレン・ギンズバーグの写真もあって、文章と組み合わされると、
唸るものがある。写真はやはり、その瞬間をあのレンズから口とか手とかが
みょんと出てきて、ぱくっともぎ取っていくのだと思う。
だから、そういう写真には力がある。
ルネ・マグリットの写真は、変だった。対象の向き合い方は絵画と同じで、
だからか、みんな、どことなく、え?ここで止まるの?
え?止まったままにしとくの?という表情で写っていたりする。変だった。

そして、調子は悪いものの、学校をやめて、親に勧められたまま、
公務員試験を受けようと思い、その勉強を遅々として始めたのだが、
数学の真偽の問題が楽しくなるほど分からない。
AさんかBさんかCさんは、うそつきか正直者でとかいう問題は、
もう考えてもできなかった。
そして証明されたのは、私は嘘か本当かということはあまり関心がなくて、
嘘か本当かを判断する時は論理的ではなくて、その人の手振りとか仕草とか、
声色とかを直感で総合して、嘘だとか本当だとか思っているらしいということが分かった。

帰り道、何だかでかくてふさふさの犬が、てててと散歩されていて、
来世は絶対犬になろうと、犬の尻を半ば追いかけるような形で、
疲労乾杯の中、決意を新たにし、犬、犬だけが私を前進させ、
悪循環の思考を心肺急停止させてくれるのだと思った。

投稿者 aikopa : March 9, 2006 10:46 PM