June 6, 2007

寝ぼけて、子機を携帯の充電器に入れようとする

今朝、バロウズのウエスタン・ランドを読み終えた。
もう何ヶ月もこの本を読んでいたような気持ちになったけれど、
実際、2ヶ月くらいかかった。
でもバロウズの本はそんな読み方が似合う。
何というか、前に書かれていたものができるだけ忘れ去られた後に、
読み進める。そうすることで、うまく記憶の中でぐるぐると混ぜこぜに
なってくれるように思う。
ちゃんと分かりやすい筋がある小説はできるだけ速く読んだ方が良い。
登場人物についての記憶があやふやになると、
ただ読み進めることしかできなくなる。
バロウズとか、ブランショは、ちがう。記憶があやふやになっている方が、
ずっとずっとその作品の良さを引き立たせる。
ただ読み進めさえすれば良くて、最後には何か、コトンと落ちるものがある。
こんなに時間がかかって、何が面白いのかと聞かれたら、分からないところ、
とにかく分からないのに、最後には分かったような気配がする。
としか答えようがない。
分からないでいることを肯定してくれるような、素敵な断章が続く。

世界遺産に指定されていたロシアの渓谷の大部分が土砂で埋まってしまった。
きっと、それを見ていた人はこう思っただろうと思う。
あれまー。

投稿者 aikopa : June 6, 2007 7:57 PM