December 21, 2004

狩人の眠り

という詩を書いた。卒論が終わった次の日か、そのまた次の日ぐらいのことだ。
もうかれこれ随分、詩を書いていなかったわけなのだが、
結局のところ、スタイルは変わってないなぁと思ったのだった。

で、もう少しで眠りらっこの季節到来の予感。
今日は、午後の五時とハナのアフガンノートを見に行った。
午後の五時はアフガニスタンの女性を描いた静かな映画だったが、
その映画のオーディション風景を記録した、ハナのアフガンノートは、
けたたましい会話の連続だった。
最後まで人の話を聞かずに、おれがおれがと皆、話す。元気の良い時間。
イスラム教のことは分からないが、女性のゆったりとした衣服が風に吹かれ、
むくむくと広がるのはまるで夢の様。
あぁ、この広がりが女性の内なる魅力を象徴しているのだと。
墜落した飛行機の中で暮らしてるところが、ファンタジックで好きだった。
イラン系の映画は、もうとにかくその一生懸命さと、真実と紙一重感が好きだ。

帰ってから、デッドマン・ウォーキングを途中から見た。
映画三昧。この一ヶ月を精算する作業。

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   官能的な図書館の影が乱れ散る
     林を駆け抜けたのは私だ
        古典的な唐草模様がめまいを誘う
    心臓に重くのしかかる息は孤空を舞う鳥を絞殺する
  彼の書斎は内側へと二重のらせん階段を形成していたのだ
 二つの足音が行ったり来たり ぐるぐると回り
  声がうねりを持つ 困ったように彼は失くしものを探すのだった
   くっきりとした生命線は何を指し示すのか
    話題を奪い去る沈黙は秘密を放棄する
     それとも首元でもそもそと動く小動物か
    彼女の首元にオオカミ色の草原が波打つ
彼女こそオオカミだったのだ
  眠りに錯乱するほこりの渦が 影を飲み込んでしまっても
    私はうなされ続けるだろう
      私はまどろみ続けるだろう
       私は眠り続けるだろう
   すべての平坦な時間は影をも飲み込んでしまう

      「狩人の眠り」

投稿者 aikopa : December 21, 2004 8:15 PM