November 23, 2005

再び見出されるフレーズ、ごくシンプルな遺跡

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イサムノグチ展に行った。込んでいるし、道に迷うし。
案内地図を見ていたら、おばさんが、
どこ行きたいの?半蔵門線の駅?
遠いわよ、と教えてくれた。

御茶ノ水から竹橋の美術館まで歩いた。
ドイツの写真展、何だか川岸の絵?にぶるぶると身震いした。
緑の岸に、川の流れる帯が横たわり、そしてまた向こう岸の緑があり、
空がある。その風景に、待たれていた。気がした。のだったと思う。

それから、思い出したフレーズ。
「記憶はゴミ収集車が運んでいった。」
小学生になったあたりだったか、書いた作文。
どうやら忘れたということを言いたいらしい。
フレーズ自体はもっと子供らしかったかもしれないけれど、
でも、きっとこのフレーズに予期されるような、
導かれるような、そんな生活を送ってきたように思った。
今日の明け方、おねいちゃんの忽然とした寝言とままこのゴロゴロとした
いびきの合間に、私は突如として、そういう予感に包まれ、
くるまれ、くるりんこ、ねむりらっこなのでした。

それから、ポン吉と呼ばれるおいしそうなしっぽのきつねのぬいぐるみを
首に巻き付けて、確かごめんなさいと言っていた。
私は何を謝っていたのだったか、気持ちよさだけが残っている。

投稿者 aikopa : November 23, 2005 11:04 PM