April 25, 2006

ナイポールの小説を読んでいる

V・S・ナイポールの小説の主人公は、
みんな自分の思い通りにはならなくて、
僕の人生はまだ始まっていないと思っていて、
放浪するんだけど、でもどうにもならなくて、
そういうのが良いと思った。
そのナイポールの『ミゲル・ストリート』では、
名前のないモノを作っている
自称大工のポポさんがいて、いつも、
かんなで木を削ったりしている。でも出来上がるものはみんな、
何と言ったら良いのか分からないものばかり。
おそらく、詩的な人生には名前のないモノ、
名づけようのないものが重要なのであり、必要なのだと思った。
何のためでもなく存在すること。
あってもなくても一緒なのに、存在しているモノ。
そして、それを説明するのに、明確で簡潔な単語はなくて、
しどろもどろになってしまう。おそらく、それが詩的な空間であり、
時間なのだと思った。

投稿者 aikopa : April 25, 2006 9:02 PM