June 16, 2006

ふと水族館に行きたくなって

青い水槽の中に光が射し込んで、コロイド粒子がきらきらと光っていた。
四角で囲まれた窓のある世界で種々の魚が口をパクパクさせたり、
ひょいひょいと泳いでいた。アリクイは腹をみょーんと引っ張って、
魚よりはマシだったろうかと思った。
いやいや、魚の方がずっとずっと、きっと、きっと・・・と考えて言葉に
詰まってしまった。目の前をぐるぐると泳ぐペンギンの、安定感のある
腹の曲線が、えーとえーと、魚の方が・・・、白い腹がばしゃんと水に
飛び込んだ。ぶくぶくと空気の泡が上がってくる。アリクイは何だか
もう考えられなくなって、ただそこに揺らめくコロイド粒子や無数の
イオンに揉まれている気分になった。薄暗い廊下を抜けると、
屋上に出た。空には雲がむくむく浮かんでいる。
屋上では、オットセイのショーをやっていた。
オットセイがオウオウ言うと、拍手が上がる。
そのショーの隣に、アイアイとかアルマジロみたいな
珍しい動物がいる。そして、そこには、アリクイもいた。
あ、僕がいる。そんな言葉を口走っていたかもしれない。
アリクイは何とも言えぬ気持ちになって、知らぬうちに口が窓ガラスに
ついていた。はっとして、中に入っていくと、自分と同じアリクイがいる。
向こうもおそらくそう思っているのか、あるいは何も思っていないのか、
しばらくじっと見つめ合って、時々鼻をひくひくさせていた。

: : : :

とにかく溜まったものを書く。
輪切りにしたキュウリに酢を投入して食べる。
映画を見る。風呂に入る。
本を読む。地下鉄に乗る。
焼き鳥の話で盛り上がったので、晩飯を焼き鳥にする。
結局、「さ」から始まる焼き鳥は分からない。
気づいたらカンヌ映画祭は終わっている。
「ライ麦畑でつかまえて」のサリンジャーは男だ。
ずっと女だと思っていた。何でだろうと思ったら、
どうやら、ライ麦畑で、落っこちそうになる?子供たちの
つかまえ役になりたいらしい主人公は、男の子かもしれないけれど、
そういうことを考えるのは、女じゃないのだろうか。と思っていたのだった。
そして、たぶんハルキ訳の気持ち悪さは、女流作家を男性の作家が
翻訳したからだとか思ったのだった。そんなことは関係中田。
何の関係もなく、ただ気持ち悪かったことが判明した。
そんな今日この頃。本屋で紹介メモが貼り付けてある本を買う。
それしかなかった。ろうそくのような、ソフトクリームのような挿絵が
付いていて、気になった。

投稿者 aikopa : June 16, 2006 10:53 PM