June 29, 2006

ミッチャンは、がらんどうだった。

心の中だけじゃなくて世界が、がらんどうだった。
薄暗く、妙な湿気がまとわりついてきて、どこまでも
沈黙が続いていた。路地。
人気のない古い家屋が並ぶ。
どこかでチリンという音がした。
なぜだか分からないけれど、その音の方へ進んでいく。
チリチリン。また音がした。けれど、今度は音が少し逃げたような、
それとも近づいたような、そんな気がした。角を曲がると、
アリクイがいた。
赤い魚の描かれた風鈴を持っている。
アリクイがもごもごと何かを言おうとしているのだけれど、
鮮明な文節を構成することができずに、いつまでも
むうむう言っていた。
ぐらぐらっと世界が揺れる。
でも揺れていたのは世界じゃなくて、ミッチャンだった。
気づいたら、眠りこけていたのだ。
友達に起こされたミッチャンは半びらきの世界をぐるりと
見渡した。レストラン・フィブリノーゲン。
相変わらず、カリオペ・ザ・プロンプターズの曲が流れていた。
サビにむうむうというコーラスが入り乱れていた。
店内に寂しげに響き渡る。

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ミラクル眠い。今日は水族館に行った。タツノオトシゴのトリコになる。
アリクイには会えず。しゅうん。
最近のブームは、デボラ・ウィンガー。もっともっとデボラを見るゼ。
ウォレスとグルミットの犬の方のペンケースが東急ハンズにあって、
ぐぐっときた。ふさふさの猫バスとかジジのも、ふにゃふにゃになったけれど、
ウォレスとグルミットの犬はすごい。二次元がまさに三次元となった感じで、
ツルッとしたあの粘土の手触り感を表現した、抑制された毛並みが、
かわいさを倍増させている。いい。すごいかわいい。

投稿者 aikopa : June 29, 2006 7:00 PM