January 24, 2007

私は順調にさまよっている

そういうフレーズを何度も角ちゃんへのメールに書きたかった。
でも、ずっと書けずにいた。
ずっとさまよえずにいた。からだった。そうだ。からだったのだ。
からになったので、さまよえた。いや、もっと厳密に言うなら、
いつ何時デモさまようことを携帯して歩くようになったのだ。
いや、そこまではまだうまくはいってない。まだまだだ。だまだまだ。
からになること。からになるためには、
やはり目的を忘れなければならない。
理由なくそこにいる。ような気がすること。それが、さまようためには
必要なのだと思った。

と、ここまで書いてみたものの、そう思ったのは、
ただバルミサコのために、本当に久しぶりに
ラクーアに行ったからだった。
ラクーアは、よくさまよったところだった。
さまよっているというのか、何もなくただそこにいる、そこで聞こえる
ごごごごごー、キャーという悲鳴。さまよっている感じがする。
なぜ、ここに来ているのか判然としない。
あの平日の穏やかなラクーアの喧騒は、
さまよっているノスタルジーがあって、人がまばらで、好きだった。

先週末に大学の友人の集まりがあって、せっかちに自分たちの
近況報告をして、それで何となく懐かしい気持ちになる。
でも、私は隣の人のことを名前で呼んだことも、愛称で呼んだこともなく、
一度も呼んだことない人の隣で、ロール巻きを食べていた。
牛乳の焼酎を飲んだ。
後味が牛乳っぽいと適当なことを言ったりした。
でも、芋の焼酎は後味がどことなく芋っぽいと思う。
それで私は、あー、内緒で小説を書いているとか、
バッグ作ったとか、そういう報告は結局できなくて、
自分の感情の淡白さをうんむうんむと呑み込んだ。
彼女たちが見ている景色の反対側をもし私が見ているのだとしたら、
やっぱり同じ感想を言うことはできないし、そもそも、初めから
反対側しか見ていなかったのなら、やはり、仕方ない。
ぺくはない。ぺいことはない。ぺくなんかない。と言い聞かせた。

投稿者 aikopa : January 24, 2007 8:56 PM