February 20, 2007

チンクエって言っていたように思う

ポーランド映画を見た。『夜行列車』。イエジイ・カワレロウィッチ監督。
59年。すてき。5秒で釘付けになった。すごい。
いや、それとも、最近、映画を見てないからだろうか。
夜行列車の中で男女がくっついたり、はなれたりする。
でも、すべては抑えられた、抑制された感情があり、
あるいは、絶望による感情の喪失か。けれど、空気を吸う。
誰も死んだりしない。妻を殺した殺人犯についてのニュースが
すべてを引き合わせて、電車に揺られながらも、
もつれあった糸がぱらりぱらりとほどけていく。
そんな感じだった。
沈黙の間を、言葉がぽつんぽつんと落ちる。
何もないところを列車が走る。海へ。海へ。
簡潔なシーン展開によって、同じ頃のハリウッド映画を鑑賞時に
伴うような肉体的倦怠感がない。
けれど、出てくる人、出てくる人が、ありがとうと言った時に
チンクエって言っていたように思ったのだけれど、
イタリア語の5をチンクエと言うのに似ていて、あれれ?
とちょっと思った。

投稿者 aikopa : February 20, 2007 3:23 PM