March 18, 2007

うかつにもないてしまう

もしかしたら、うかつにもなついてしまう。と読めるかもしれないとか
思いながら、昨日のことについて書く。
善き人のためのソナタ。見に行った。
館内が暗いことを良いことに、うかつにも泣いてしまう。
しかも、あれはたぶん中盤じゃないだろうか。きっと、まだまだ泣くところじゃなかった。
シュッタージだったか、その東ドイツの体制下で動く諜報機関というのか、
とにかく脚本家と女優のアパートの屋根裏で黙々と盗聴する、禿げちゃびんの
ドイツ人中年に深々と共感してしまったのだと思う。
耳で聞いて、押し広げた想像の中で、その二人が生きていて、暮らしていて、
その二人の体験する感情の起伏を、そのうちの何割かにすぎないだろうけれど、
二人の感情の起伏を追体験する。
館内のみんながきっと、あの禿げちゃびんに共感して、しかも、すすり泣き。
しかも、禿げちゃびん、思っていることを話さないから、余計、こっちが自由に
禿げちゃびんの感情を汲み取ってしまう。
電車の中で、もう一人の素敵な禿げちゃびん、
アーミン・ミューラー・スタールについてぼんやり考えた。
渋谷は、なぜこんなにも人に溢れてるのだろうと思い、ひとり、ひとりでいると、
妙に自分が異邦人のような、いや、宇宙人かもしれないけれど、
そんな気持ちになるのはなぜなんだろうと思い、何も買えず、
ただ、さ迷っていたように思う。夜、おばあちゃんたちと会食。
おばあちゃんは、電気マッサージ機のことを電気イスと言っていた。
電気イスはちょっとやばい。

投稿者 aikopa : March 18, 2007 6:30 AM