May 13, 2008

磨耗後にやってきたタワシスム、チョコをにぎり寿司と見間違える

この前、角ちゃんに会った時はかなり疲れていて、
初台の喫茶コーナーで頼んだジンジャーエールが出てきた時に、
ありがとうございましゅと言っていた。
ゴールデンウィークに導かれた残業により、たわしは磨耗し、
摩滅し、ジャックと豆の気になり、たわしにすがる気持ちで
やはり青い背表紙の本を読み、もういい加減面白くないのだけれど、
読むという行為がたわしにもたらす滋養を吸い取って、
たわしはみるみるうちに元気になり、朝、電車の中で、
繰り返し聴いたvoyage autour de ma chambreと名づけられた
プレイリストを聴くうちに、たわしはたわしであるというスム、タワシスム。
ラテン語なら、きっとタワシスムというであろう確信に満ち、
かすかな妄想に浸りつつ、歩いていたら、Mary'sチョコレートを
運ぶトラックの側面に描かれた色とりどりのチョコレートを
にぎり寿司と見間違える。
遅々として通勤の片手間に覚えるラテン語。アテネでかほりさんに
見せたら、これは変だね。と最後のレッスンの「文学を学んでいなかったら、
僕の人生ははるかに幸せだろうに」というフレーズに軽妙な驚嘆を見せる。
たわしも読んでいなかったけれど、そんな終わりはとても素敵だと
思った。あと、挿絵では明らかに男の子と女の子の会話なのに、
日本語訳は男二人になっていたり、途中で訳の語調ががらっと
変わったりで、よくよく読むと本当に面白い。不純なのは
重々承知の上、遅々としてラテン語に掃除されていくわだかまりのことを
思うと、素晴らしい逃避行であると思うのだった。

投稿者 aikopa : May 13, 2008 7:44 PM