June 11, 2004

ももいろのじかん

しゅるるる しゅーるるる
しゅるるる しゅーるるる

朝、安いコピー機が空回りするような音で、目が覚めた。
うう眠い。まだ六時じゃないか。まだ眠れる。

しゅるるる しゅーるるる
しゅるるる しゅーるるる

しかし、どこから音がしてくるんだろう。私は起きあがって、
音がする方へ眠たげな足取りを向かわせた。
風呂場からだった。どんどん、しゅるるるが大きく聞こえる。
あ。バスタブに、ふくろうがいる。
ももいろのふくろうだ。いや、厳密に言うなら、ピンクの色調の
ふくろうだろうか。何とも言い難い、柔らかな色でふさふさの羽が
大きく息を吸って、ふくらんだり小さくなったりしている。
おお。気持ち良い。私は無意識にふくろうのお腹を触っていた。
すると、ふくろうは目を覚ましてしまった。あぁ、悪いことをしてしまった。
しかし、あまりにも気持ち良さそうだった。
ふくろうは、眠い目をこすり、私に視線を向けた。
けれど、眠たいのか、しゅるるると眠り始めた。
また、ももいろ全体がふくらんだり、小さくなったりしている。
思わず、お腹をさすってしまった。びくっと、また、ふくろうが起きる。
楽しくなって、またお腹をさする。すると、ふくろうは気持ちよさそうに、
すうすうと眠り始めた。

私もいっしょになって、バスタブで眠る。
ももいろのじかんが流れた。

投稿者 aikopa : June 11, 2004 11:05 PM